短い夢

□指輪の神話
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粉雪舞う寒空の下、あたしとスクアーロは迎えの車を待っていた。


チキショー、マジさみぃ!!
早く来いよっ車!!なんでこんな真夜中にこんなとこに突っ立ってなきゃなんないのさ!!
ボスのせいだ!!こんな日に任務入れやがってぇ!!あたしの誕生日になっちゃったじゃんっ!!
スクアーロはスクアーロで"おめでとう"の一言も言ってくれやしない!!
あたし一応彼女だよ!!

か・の・じょ!!!!


などと散々心の中で悪態ついても、あたしの横に突っ立ってるこの馬鹿は気づきやしない。


長いこと付き合ってるんだから気づけ、馬鹿!!


寒いのも、任務が入ったのも、あたしの誕生日になっちゃったのも、全部スクアーロの所為にしたくなる程、なんか苛々する。
そんなの違うことくらいわかってるけど、お祝いの言葉くらい言ってほしかった。
なのに、スクアーロの口から出てくんのは、さみぃやら、おせぇやら、馬鹿の一つ覚えか!!(あ、こいつ馬鹿だった)
たまには違うこと言ってみろ!!


「なぁ『うっせぇっさみーんだ!!話しかけんな、馬鹿!!』


違うこと言ったけど、苛々してたからつい八つ当たりしてしまった……


「手ぇ出せぇ」

『はぁ?』


さみぃって言ったのに、手ぇ出せ?ポケットから手出したら余計寒いじゃん!!


そんなあたしのあからさまなふざけんなオーラなんてお構い無しに、スクアーロは無理矢理あたしの手を引っ張り出した。


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