短い夢
□煙草着火まで
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「てめぇ少しは黙ってらんねぇのか!?」
『獄寺の方こそ黙ってらんない訳っ!?』
相変わらずアイツらはケンカばっかしだな。
「オレは十代目に文法を教えてる最中なんだっ!!」
『その前に単語覚えなきゃ文法なんて覚えたって意味ないじゃんっ!!』
「っんだと!?」
『なんだよ!?』
成長しないな、お前らは。
んなことより宿題教えなきゃなんねぇーのはオレなんだぞ。ツナの家庭教師はオレなんだからな。
ま、楽はできるけどな。
「リボーンっ!!」
『あ、ビアンキさん』
「ふごばっ!!」
「うわっ獄寺君!?」
獄寺の奴、ビアンキ見てぶっ倒れやがった。まだまだだな、獄寺も。
「昔はこんな病弱な子じゃなかったのに……」
『ほっとけばいーんですよ』
アイツの方は獄寺なんか眼中になさそうだな。横で倒れてるってのに。まぁ、獄寺のはいつものことだからな、見慣れたんだろ。
「ビ、ビアンキ、ここにいると獄寺君がちょっと…あ、あれだから顔隠すか、部屋から出てもらわないと……」
「いやよ、私はリボーンの側にいたいの。それに隼人の面倒を誰が見るっていうの!?」
「だからビアンキがいたら余計ヒドくなるんだってば!!」
ってな訳で、獄寺だけ部屋に残して下の部屋に来たんだが…アイツの姿だけ見当たらねぇーな。
『獄寺ぁーだいじょーぶか?』
「あ…?なんでお前がいんだよ?」
『獄寺のこと馬鹿にしに来ただけだから気にすんな』
「…っとにかわいくねぇー」
そっぽ向いちまった獄寺を余所に、アイツはベッドに寄りかかったのか。
『あたしに可愛げ求める方が間違ってる』
「……………」
『あのさー……』
「んだよ……」
『獄寺がそんなんだと、調子狂うんだよ……』
「な、んだよ…それ……」
『………別に』
そんだけ言って戻ってきちまったのか、アイツ。進展のない奴らだな、ホント。
秋の子分達が見てたっていうから聞いてみたってーのに、つまらねーな。これだから中学生は。
ま、アイツの方もオレが思ってたより獄寺のこと嫌いじゃねぇーみたいだな。
「前ほど気に食わなくはねぇーか……」
「そりゃそうだろうな」
「げっリボーンさん!?」
オレに気づかないとは、色んな意味でコイツはまだまだだな。
煙草着火まで