妖精の譜歌〜The ABYSS×elfen lied〜
□Episode,7【ようこそバチカルへ・中編】
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ジェイドとしてはこの少女の謎を、隅々まで調べたいと
少なからず思っているようだが……。
「うっわー! おいしい!! これおいしいよー!!」
「まあ……そんなに喜んで下さるなんて……私が作ったわけではないのに、なんだか誇らしいですわ」
気が遠くなるほど長いテーブルに並んだ語地層を囲まれて行われたのは、王族の団欒とは思えないディナーだ。
カマラとライガの食いっぷりは作り手が見たら嬉しい事この上ないが完全なるマナー違反。
上流の紳士淑女に言わせれば“はしたない”と批評を喰らうだろう。
それを補えるわけではないが、カマラの綻ぶような笑顔は人々を幸せへいざなう幸福に満たされた表情はとても魅力的だった。
裏のない笑顔に、ジェイドは目が覚めたように己を叱咤する。
(いけない、いけない……私とした事が……。私が熱心に研究に打ち込んで、何かいいことがあったか)
結局、災いと悔恨しか残らなかった。
父だと、娘だと言ったその口で何を仕出かすのか。まったく、質の悪い人間だ。
ジェイドは自分を呪うように、最前肉を突き刺したフォークを、自分の太ももに……。
「そういえば客室ってひとり部屋なのかな?」
ぴたりと腕を止める。
向かい側でジェイドに問いかけるカマラの顔がそこに在った。
「ひとり部屋があるなら相部屋だってあるでしょう。
カマラは私の管理下にありますから私と一緒ですよ。嬉しいでしょう?」
「そっか。じゃあ寝首をかけるね」
何事もなかったようにフォークをテーブルに戻す。
何を考えているか分からないと、よく言われる評価だがおかげで誰にも悟られていない。
聞くところによれば導師とアニスは相部屋で独り身のティアは個室を与えられているらしいが、そんなことはどうでもよかった。
自分も、多少人間臭くなったものだ。
もしもの時は、一思いに殺してしまえばいい。
何の抵抗もなくそれが可能なら……。
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