チェシャ猫と愛に生きるトロイメライ【2】
□act14 デンタツ
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朝のスキンシップもそこそこに、
俺はキッチンで探し物をしていた。
朝食は約束どうりマシロとつくることになり、それで俺はマシロがキッチンに来るまでに材料を用意しているってところだ。
アジ、ほうれん草、豆腐……。
俺はキツネじゃないけど油揚げも……
ありゃ、薄力粉はどこに仕舞ったんだろう?
昨日マシロに片づけを任せちゃったしなぁ。訊いてみるか。
マシロを探し求めてリビングを出る。
少し廊下を歩けば俺達が仲睦まじく夜を過ごす和室から音が漏れていた。
(この音は……スマホのだ)
そういえば朝なかったっけ。
マシロが持っていったんだ。
(誰にかけているのかな?)
俺が首を捻っていると……
「おはようございます。お父さん」
マシロは朝の挨拶を口にしたのだった。
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