チェシャ猫と愛に生きるトロイメライ【2】

□act5 コウソク
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朝食に叔母さん手製の肉じゃがの残りを食べた二日目の朝。
最初は、ワンダーワールドとは異なる食文化に身構えていたけど、予想をはるかに上回る味に舌が肥えそうだ。
むしろ、あっちより格段においしい。お世辞じゃない。
あっちはケーキやパンなどの菓子類、それとお茶の類は申し分なく絶品だけど、逆に言えばそれくらいしかとり得がないって言うか……


俺自身は魚にこだわりがあるので魚料理は得意分野だけど、城下町で振る舞われる魚料理といえば、
骨も内臓も取り除かないし、フライにするにしたって長時間油で揚げて魚の持ち味を殺すし、まぁまず下ごしらえ(と、味付け)の風習がない。


マシロにちゃんと味覚があれば、こっちで過ごしている間は数々の絶品料理を食べていたんだろうなってしんみりするし、逆に言えばあちらの料理を口にするのを嫌がっていたかもしれない。
というか、ない味覚をいいことに食べさせてきたのを申し訳なく思うよ。


とまぁ、日本料理に舌鼓を打っていた今日この頃。
俺はマシロとにゃんにゃんしていたのである。


閑話休題。











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