moso家族

□捜さないでください
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「まあ、アンタは座っててよ」

そう言われ、座布団の上に居る司馬懿。

時刻は夕方。
常ならばこの時間はいつも台所仕事に追われ忙しく動きまわっているはず―

慣れない状況は居心地が悪く、
何かしなくてはならない衝動に駆られる。
職業病だ。
とうとう痺れを切らして台所へ行ってみた。
そこでは凌統が今まさに肉をこまぎれにせんと包丁を握っていた。

司馬懿が何か言おうと口を開きかけたその瞬間
何かが司馬懿の顔スレスレに飛んで―ダン!!!

殺人的な音がした。
司馬懿が恐る恐る横を向くと、柱の所に包丁が突き刺さっていた。衝撃で柄が震えている。

「あ。悪い、甘寧かと思っちまった。いつもの癖でさぁー」

ニッコリといい笑顔で言い放つ凌統。悪びれた様子はない。

「死ぬかと思ったぞバカめがぁぁ!もしかして何時もこんなサバイバルしてんのか貴様等!」

司馬懿ちょっと涙目である。

「まーね。食うか食われるかだからね。つうか座ってなって言ったでしょうよー。うろちょろすんなよ邪魔」

「食うか食われるかって…」

「アイツいきなり後ろから抱きついてきやがって首筋とか耳とかあっちこっちベロベロ…って、もう!何言わすんだっつの!!」


ノロケかそれは。
一気に力が抜けた司馬懿はヨロヨロと居間に戻った。
下手すると死ぬ程恐ろしい目に遭うと悟ったのである。
…ちょっとだけ帰りたくなった。






それからは無事、平和に時が流れ……………る筈はなく
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