お題

わらうなよ、ばか
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「鈴の甘寧サマがなんてザマだい」

そういって笑ってやがるけど
真相を知ったらその顔も引きつるだろうか

「実は好きなやつがいる」

なんてどうしてコイツの前で言ってしまったのか
しかし一度口に出してしまったものはどうにもならず完全に面白がってる凌統の格好の餌食だ。

「らしくないねぇ、ウダウダしてないでさっさと告って派手に玉砕しやがれ」

他人事だと思って勝手なことをベラベラと…
実際にはコイツに無関係というわけではない。

むしろど真ん中。

「うるせぇよつうか何だよ玉砕ってなぁ」
「俺は振られるほうに賭けるね」

人の気も知らないで凌統はクスクスと可笑しそうに意地の悪い笑みを浮かべた。

俺の気も知らねぇで。

「振られたら俺が慰めてやるから」
「応援してやろうって気は無ぇのかよ」
「うん全く」

相変わらずのふざけた物言いに流石にムッとした俺の、唇に





…柔い感触

何が起きたのか理解できない俺とさっきとは違う拗ねたような寂しそうな顔の凌統。

「アンタなんかずっと俺だけ追っかけてりゃいいんだっつの。だから早く振られちまえ、…って…アンタニヤニヤと顔気持ち悪いんだよ!笑ってんじゃ、…っ?」


失礼極まりない唇に今度は俺から


こんなに近くにいるのに
回り回って遠回り
やっと繋がる想い

「ばかんねい」

きっちりと最後まで悪態をつく唇にもう一度。

ばかなのはお互いサマだってんだ



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