連載物
□秋雨恋情 U
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ふわっと甘い香りがして目を開ければ、見知らぬ天井があった。
(………?)
不思議に思って体を起こそうとすれば、体中に激痛が走る。
「…っ……!」
(あぁ、そういえば昨日…)
昨日の出来事を思い出したのか、また元の布団に戻ると、自分の体に巻かれている大量の包帯を見る。
(……ちゃんと手当てされてらァ…)
ガラッ
そんな事を思っていると、ふと襖が開いた。
「あら、起きたんですか?」
そう言って中に入ってきた見知らぬ女に、警戒する。
「テメェ、誰だ?」
「ふふふ…そんなに警戒しなくても、真選組には引き渡しませんよ」
女は俺が警戒したのに気付いたのか、そう言ってのける。
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