甘い囁きT

□運命 秘密のデート
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「それでは歌って頂きましょう!アレンさんで『イメージ』です」

―秘密のデート―



「水が映す幻影に
少し戸惑い
いつの間にか
通り過ぎてく

いつか君と見た景色
君と交した言葉

確かな物のない世界で
僕はいつか
忘れてしまうだろう

それでも僕は…

Imagine
君の笑顔 君の幸せ
記憶を星座の様に
繋げて
残された時間の限り
君を忘れず生きていく

笑顔をくれた君への
僕ができるたった一つの事たがら」



沢山の光を浴びる中で
ステージの中心で歌っているのはアレン。


白い肌とは対照的な黒色のワンピースを身に纏い輝く姿は正に歌姫


「……はぁ」

そんなアレンの姿をテレビを通して見ている神田はため息を吐く。


昔ならアレンが映るテレビを見る時は、この上ない幸福を感じていた。

アレンを見れるのはテレビの中だけだったから。


だが今は違う。


連絡も取れる。
会おとすれば会える。

ファンではなく友と言う立場。


昔から言えばかなり進展した関係。


…だが今はそれが辛い


テレビの中のアレンは光を浴び輝いている。自分とはまるで違う。

届かない存在。

いくら連絡を取ろうが何度会おうが
アレンはトップで自分は一般の学生。

届きそうで届かない歯がゆさ。


いつから自分はそう思う様になったのか。

贅沢になったものだと神田はアレンがいなくなったテレビの電源を消した。



 
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