甘い囁きT

□運命 彼女の理想
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必要なのは勇気!

―彼女の理想―


ベッドの上で正座をして目の前に置いた携帯電話を直視している神田。



…あいつのアドレスを
手に入れた。
繋がりが持てた。
………いざ!

神田は震える手で携帯を持ち、
アレンにメールをしようとしたが……

「っ//!」

ダメだっ//!っと携帯をベッドに投げ同時にベッドに倒れ込んだ神田。

…勇気が出ない。

情けない自分に笑いが込み上げて来る事を感じた神田。

「…本当にヘタレだな俺は」

体制を変えて扉に貼っているアレンのポスターを目にいれた。


ポスターのお前になら話かける事は出来るのに、本物のお前にはメールすら出来ない。


「……ダメだ」

ムクッと体を起こし再び携帯を手にする。


こんな自分じゃダメだ
…ファンでは終りたくわない
せめて…ファンより身近な存在に
友と言う場所に居る事を確認したい



『  神田だ  』



「………ふぅ」

名前を打っただけのメールを送ると、力が抜けた様にベッドに倒れ込んだ神田。


仕事だろうから、返事が返って来るのは遅くなるだろう。




アレンからメールが返って来たのは3日後の夜の事。


『アレンです。
返事返すの遅くなってしまってごめんなさい。登録しときますね。メール送ってくれてありがとうございました♪』



アレンからのメールを読んだ神田の頬は緩み微かな笑みを浮かべていた。


勇気を出してメールを送って良かった。


神田はそう思った。


『いゃ、構わない。仕事だったんだろ。
わかった』


直ぐに返事を返すと嬉しくもアレンからも直ぐに返事が来た。


『ありがとうございます。
はい。来週の火曜日に出る歌番組の収録をしていました』

『新曲歌うのか?』

『はい。イメージを歌います。知っていますか?』

『知ってる』

『ピアノの方に曲をチェンジして歌うんですよ』

『お前が弾くのか?』

『はい♪難しいかったけど頑張りました』

『凄いな』

『ありがとうございます。番組見て下さいね?』

『ぁあ』

『この番組の収録が終わったから仕事が一旦落ち着くんですよ』

『仕事ないのか?』

『大きな仕事は。後は次の新曲作りです。映画の主題歌の依頼が来てるんですよ』



 
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