甘い囁きT

□運命 微かな進展
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よろしくお願いします

―微かな進展―


神田の19歳の誕生日を祝うために、日付が変わる寸前に仕事を急いで片付けたアレンが駆け付けた。


いきなり憧れのアレンに会う事が出来て神田は驚きを隠せないでいる。

今はなんとか椅子に座り一度終えた誕生日会を再び再開させていた。


「お腹空きました」

「ぁー…確か、ケーキが一ホール残ってたはずだ」

ちょっと待ってろと言いシェイラは奥に入って行った。

「アレン…さんは」

「アレンで良いです」

「…了解。俺もラビで良いからな」

「私もリナリーで良いわよ」

「…でも…年上ですし…」

「年上でも友達だろ?」

「…友…達?」

友達と言う言葉にアレンは目を見開いてラビを見た。

「あっごめん。迷惑だったさね」

「ちっ違います!あの…嬉しいです。…僕…友達がシェイラ達しかいないから…」

「良かった。じゃ、これからは俺達も友達さ」

「はいっ!」

アレンはとびっきりの笑顔を見せた。

それにラビとリナリーは和みを感じだが、笑顔を真横で見てしまった神田は顔を押さえて震えている。

「…あの…神田さん?どうしました?」

隣で顔を押さえて震える神田を不思議に思うアレン。

神田は『お前が可愛いからだ』とは言えるはずもなく大丈夫だと答えた(本当はかなり危ない。人として笑)

「あっ…話続けて下さい」

「おっ忘れる所だったさ」

アレンの声でラビは中断した話を思い出し再開させる。

「アレンはどうして歌手始めたんだ?」

「僕の親代わりである師匠が、僕を自分の会社に入れたんですよ」

「じゃぁ…マリアンの会社はアレン君の親代わりの方が運営しているの?」

「はい。14の時にいきなり歌手になれって言われて…最初は嫌でしたね」

「そうなんだ」

「ほら神田!貴方も喋りなさいよ」

先程から黙ってアレン達の会話を聞く神田にリナリーが囁く。

「あっ…ぁあ」

神田もアレンと会話をしたいのだが思う様に言葉が出ない。元から口下手な神田にはアレンと話す事はボロボロのロープでバンジージャンプをする事ぐらいに勇気がいる。


 
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