拍手お礼SS(遙か3将臣×望美)



「わぁ……」

望美は目の前の光景に思わず言葉を失う。
一面に広がる雪景色。ここまで雪が積もっているのを見るのは生まれて初めての経験だ。

「スゲー雪だな。流石北国ってとこか」
「将臣くん」

背後から声が聞こえて振り返ると、将臣が寒そうな素振りをしながら望美の方へ近付いてきた。

「鎌倉じゃここまで降んねぇからな」
「そうだね……」

そこで会話が途切れる。平泉に辿り着くまでに色々なことが起こり過ぎて、望美の心に影を落としていた。

そんな望美の様子に将臣は軽く溜息を吐いて、彼女から少し距離を取る。
そのまま軽く屈んで、何かを作ってそれを望美の頭目がけて投げ付けた。

「―――っ!?」
「お、クリティカルヒットだな」

将臣が投げた雪玉は見事に望美の後頭部に当たった。
直ぐ様望美は振り返り、思い切り将臣を睨み付ける。

「何するのよ!!」
「折角こんなに雪積もってんだ。ちょっと遊ぶのも悪くないだろ」
「でも今は……」
「それとも、源氏の神子様は怖れを為して逃げるのか?」
「っ……望むところよ!!」

将臣の言葉に乗せられ、望美も雪玉を作り、将臣目がけて投げ付ける。
それを上手く避けて、将臣もまた雪玉を投げる。

手加減なしの全力勝負。近くを誰かが通った気もするが、お構い無しに二人は雪玉を投げ続けた。
そんな二人が雪原の上に倒れ込んだのは、ほぼ同時であった。

「あー疲れた」
「おい、望美。ちょっと位手加減しろ」
「将臣くんだって全然手加減しなかったじゃない!」

何時も通りの調子で怒り出した望美を見て、将臣はふ、と笑みを零す。
それを不思議そうな表情で見やり、将臣くん?と問い掛ける。

「漸く何時も通りのお前に戻ったな」
「あ……」
「ったく、お前一人で悩みすぎ。他の奴頼れっての」

そう言って将臣は望美の頭を優しく撫でる。
抑えていた思いが涙となり溢れるのを必死で堪えながら、望美はぽつりぽつりと言葉を紡ぎだす。

「将臣くん、私ね……もう誰も失いたくないの」
「ああ」
「もう誰とも離れたくないの」
「分かってる」

寝転がったまま、将臣は望美のことを抱き占める。

「俺はもう何処にも行かねぇよ。お前の傍にいるぜ」
「ほんとう……?」
「ああ、約束する。ずっと傍にいてお前の力になる。だから頑張ろうぜ」
「うん、嬉しい」

幸せそうに涙を流しながら、望美は将臣の胸に顔を寄せた。

将臣が傍にいてくれるなら絶対大丈夫。そんな確信に似た思いを心の中に抱きながら。



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平泉ルートで無理矢理な将望です(爆)

雪合戦とかを本気でやりそうな二人ですよね(^^)将臣はこんなやり方で望美の心を解してくれるような気がします。


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