◆桜と紅葉◆
□2:プール会議
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うだる暑さに限界を感じて夏に悪態をつきそうになる。
でもそれは目的地到着と共に喉の奥に引っ込んでしまった。
ましてや自分にとって適温の水に浸かってしまうと夏に対しての悪態どころか、夏って良いなと思ってしまうわけで…
「お前ら夏休みの課題やってんのか?」
水が滴るメガネ君の言葉にまた俺は夏に悪態をつきたくなった。
まぁ、メガネは更衣室に置いてきたんだが…。
「お前なぁ、俺が夏を満喫してたところを邪魔して楽しいか?」
むしろ夏に対して言ってもしかたないので彰彦に八つ当たりする。
それは千夏も同じ気持ちらしく、隣で顎まで水に浸かっている本人も俺に激しく同意した。
「そーだそーだメガネ君はちゃんと外に出ないと!ほら夏なのに肌めっちゃ白いじゃん!健康的じゃないぞ、メガネ君!」
「千夏。それすごい偏見。俺に喧嘩売ってんのか?」