大河 短編

□隙間無く、抱き合って
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幸せと寂しさって常に隣り合わせであるものなんだ。
大河を好きになって、知った。


一緒に居る幸せな時間。
ばいばいした後の寂しさ。


どっちも、大河が好きだから存在する感情。
幸せな時間が終わらなければ、ずっとずっと一緒に居られたら、それに越したことはないのだけれど。


「…帰りたくないな」
「そうもいかないっしょ」
「わかってるけど…」


俯いた私を引き寄せて、強く抱き締める大河は、私の頭を撫でながら「充電」と言った。


馬鹿。
こんなに抱き締めてもらっても、手を振って別れた後振り向いてしまったら、また抱き締めてもらいたくなるのよ。
でも、寂しいのはそれだけ好きだから。
それを知っているから、寂しさを募らせた分また会った時は、


「じゃ、またね」


隙間無く、幸せを感じさせて。




本当は離れたくないけれど。




END


2007/8/19
春瀬琴音


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