過去拍手
□全部好き
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「あ。」
金色の三編みが歩く度に揺れている。
赤いコートを纏うあの後ろ姿は、紛れも無く帰ってくるのを待ち焦がれていた彼だ。
初めて会った時に私を真っ直ぐに見つめた強い意志の篭った瞳。
握手を交わした左手の暖かさ。
大人ぶって背伸びをしている澄ました表情。
まだ高さの残る声。
ふと見せる幼稚な駄々。
国軍大佐と張る程の実力。
大人をも黙らせる知識の多さ。
とても弟思いで優しくて。
新しい彼を見つける度に想いは募って、もう溢れてしまう。
全部全部、好き。
「エド、おかえり」
「おー!ただいま!」
振り返り際の少し驚いた表情も、わざわざ近寄って来て旅の報告をしてくれる律儀さも。
「好き」
「…え?」
「大好き」
コートと同じくらい真っ赤になった肌も。
俯いて照れている仕草も。
「…先に言うなよ。オレから言おうと思ってたのに。」
でもやっぱり一番好きなのは、太陽にも負けないくらい眩しい、その笑顔。
2006/11/07
原点に戻ってみる。
やっぱエド。かな。笑
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