過去拍手

□眼鏡
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「…わ、エドが眼鏡かけてる!!」
「ん?…あぁ、徹夜したからそのままだ」



【眼鏡】



私が宿に来た時、エドは眼鏡をかけていた。

「エドって目悪かったっけ?」
「悪くはないけど…疲れてくると見えにくくなるからさ」

エドの言葉に徹夜なんかするからだよ、と返し、きっと文献でも読んでいたんだろうな。と思った。

ふと、浮かんだ疑問をぶつけてみる。

「ねぇ、眼鏡かけてるとキスする時邪魔になるって本当かな?」

愛しい恋人は驚いたような顔をして私を見る。

「…何、来た途端そんな事考えてるのか?」

口角を吊り上げてニタニタ笑うエドは私の質問には答えなかった。

「そんなんじゃないよ!!エドが眼鏡なんてかけてるから…」

慌てて私は訂正する。

「……試してみる?」

悪戯に笑ったエドはどんどん私に近付いてくる。

「ちょ…っ、」

そのまま軽く唇に触れ、すぐに離れた。

「…邪魔になった?」
「……ならなかった」

相変わらず嫌な感じの笑いをしながらエドは眼鏡を外してもう一度私にキスをした。



END


春瀬琴音


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