過去拍手

□髪
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好きな人にはときどき

逆らえなくなる。


「くすぐったいってば」
「嫌?」
「…そんな事ないけど…」


隣に座っている君は僕の髪をくるくると指に巻き付けて遊んでいる。


「エンウ゛ィー…」
「何?」
「髪、切らないでね」
「……うん」


好きな人には何故か

逆らえない。


こうやって僕の髪を弄る君が好きだから


君に会う時は
この姿でしか来ない。


「…髪、切らないでよ?」
「私?」
「そう。僕も好きだから」


君の髪をくるくると指に巻き付ける。


君は頬を赤く染めて敵わないなぁ、と言って笑った。



END


春瀬琴音


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