日和
□短編集
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彼に怖いものはあるんだろうか。
私は怖いものだらけだよ。
怖がらないで下さい
泣かないで、下さい
静かに泣いている師匠に、少し若い弟子が淡々と話し続ける。
果たして聞いているのか聞いていないのか。
こっち向いて下さい、いいかげんに
無理矢理に顔を自分の方に向けて、キッと睨みつけた。
怖がるのも、悲しむのも…僕にだけ、すればいい
もっと怖がって下さい
もっと泣いてて下さい
…それは、恐怖の独占欲。
[怖いもの知らず]
end.
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