■デジモン小噺
□「君と僕」エンタケ
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鼻にかかった優しい声は、僕だけの物。
他のパートナーデジモンにさえ厳しい君の口調が、僕だけに対しては柔らかくなる。
そんな態度が、僕を特別にしてくれてるようでずっと嬉しかった。
もちろんそれが、僕が小さかったからだとしても。
もちろんそれが、誰だか知らない人の定めた君のパートナーだからでも。
けどね、僕はもう、何も知らない子供じゃなくて。
この胸に宿った感情の意味合いも、よぉく理解しているつもりなんだよ。
だからこそ僕は、君を手放したくなんかないって思ったんだ。
人間とデジモンとの違いなんて、いったいどこにあるんだろう。
しゃべったり笑ったり泣いたり悲しんだり…。
パートナーのために戦うデジモン。
動物でも人間でもないデジモン。
そんな君に、僕は淡い気持ちを押し付けた。
ごめんね。
君を困らせるつもりじゃなかったんだ
*