++頂き物++
□frantic(RK)
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浮かんだのは、愛すべき貴方。
ノブにかけていた手が力なく肩から落ちる。
貴方を抱きしめる事も、
貴方の耳元で愛を囁く事も、
ベッドの上で貴方を支配する事も、出来るのに。
貴方と俺が最も重きを置いて、全てを賭けている。
”唄”で、
”表現”で、
貴方に勝る事が出来ない。
この現実を突きつけられた時、
何とも言えず惨めで、
自分と言う存在を滑稽に思えてならない。
「流鬼、気にしちゃ負けだよ」
突然、肩に置かれた暖かい手。
振り返ると、これまた暖かい笑顔。
「戒・・・」
「よぉし!今日は皆でウチに来なよ!戒さん特製グラタン作っちゃうよ!」
いつものようにソファーに寝転がって、DVDを見ながら俺の帰りを待ってくれている貴方を思い出さない筈はないけど、
「美味くなかったらお仕置きな」
今だけは、貴方に笑顔を見せれる自信がないんです。
許して下さい。