□dean
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柔らかな陽射しに優しい風
肌に触れるのは、愛しい世界



dean



緩やかな日溜まりの注ぐ中、沓が草を踏む音がした。
そして、人影が陽射しを遮った。

「主上、此方に居られましたか」

目を細めて緩く笑って、金の髪を風に揺らした麒麟を見上げる。

「あぁ景麒、どうしたんだ?こんな所まで…どうだ?お前も。気持ち良いぞ」

余りにも気持ち良さそうな自分の主に景麒も何時もの様に小言を言う気分にはなれず、少し考えて陽子の側に膝を折った。
サク、とまた草の折れる音がして、陽子は自分の下僕を見た。

「本当に珍しいな。雨でも降るのか?」

寝転んだまま、ただ木漏れ日に目を閉じる陽子。
景麒は少しその様子を見て、少しそわそわとして、自分も陽子の様に体を横にした。

「主上、戻られる時には私にもお声をお掛け下さい」

「…気が向いたらな」

風に揺らされた木がただ優しく鼓膜を揺らした。



そしてただこの国の女王と麒麟は陽射しに瞼を下ろした。









「なんて微笑ましいのかしら」

「ふふっ、また後で膝掛けでも持って行ってあげましょうか鈴」











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