□bloom all over
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永い永い、時間の果て



bloom all over



風に揺れた金の髪。
ゆっくりとバイクから降りたクラウドはゴーグルを外した。
眼前に広がるのは広大な大地と、壊れたミッドガル。
ザク、ザクと土を踏む。
小高い丘に墓標の様に立てられたバスターソード。
クラウドは手に持った花をそれの根元にバサリと置いて、自身も腰を下ろした。
グローブを脱いで、白い素手で触った。

「ザックス、久しぶり。」

当然、辺りには風が吹き抜けるだけで、誰の返事もない。
クラウドは一度空を見上げて、うつ向いた。

「何だか、いろいろあったんだ。あんたには、いつも助けられてる。ありがとう…」

ふ、と笑うクラウド。
鮮やかなクラウドの瞳から、一筋涙が溢れる。

「駄目だな、やっぱり、ここに来たら泣いてしまう。あんたに、ザックスに甘えてる証拠だな」

グイッと涙を拭うと、一際強い風が吹いて、花弁を散らした。

『大丈夫、いつでも見守ってる。クラウドはよく頑張ってるよ』

耳を叩く風の中に、懐かしい声が聞こえて、クラウドは振り向く。
しかしそこにはフェンリルと大地しかない。
クラウドは少しその大地を見つめて、微笑んだ。


「そうだな、ザックス。あんたが見ててくれるんだった。」

ふわりと揺れた金の髪。
クラウドはもう一度バスターソードにそっと触れて、立ち上がった。
空は何処までも高くて、彼の瞳の色をしていた。
ザクザクと大地を鳴らして、フェンリルに跨る。
ゴーグルを付けながら、クラウドはニコリと笑った。

「じゃあ、また来る。ザックス」

フェンリルが走り去って、バスターソードに寄り添う人影がひとつ、ふたつ。

『元気そうで良かった』

『そうだね、クラウド大丈夫そう。』

そして、花弁が風に舞った。









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