PKSP
□愛し君へ6
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カスミの怒りも(一応)収まったらしく、苦笑しながらポケギアを返された。
どうでもいいが、ハナダで会議って何だ。普通タマムシじゃないのか。どう考えても行きにくいだろうが。疑問は浮かぶが、上手く処理できない。・・・まだ寝惚けてんのか、俺は。
「何でハナダ?」
『あたしが議長だからよ。』
「・・・何で自宅?」
『アンタ地べたに座り込んで会議したいの?嫌よ、椅子をわざわざ運ぶなんて。』
いや、・・・まあいいか。言っても無駄みたいだ。
「いつから?」
『一時間後。』
「・・・マジか。」
マジよ、というカスミの声を聴きながら、グリーンはこめかみを押さえた。一時間で行くこと自体もけっこうキツいが(リザードンにぶっ飛ばしてもらうしかない。昨日に引き続いてで悪いが、仕方ないだろう。)タイミングが悪すぎる。昨日あんなに寂しがっていた恋人を、それも寝起きで放っていくのは気が引ける。
レッドと目が合う。刹那、その瞳が揺れた。しかしすぐに常の笑顔を浮かべ、口を動かした。
だ、い、じょ、う、ぶ。
・・・何が『大丈夫』なんだか。本当は寂しいくせに。
レッドの頭に手を伸ばし、そのままぐしゃぐしゃにする。驚いたように瞬きするレッドを微笑ましく思いながら、カスミに返事を返した。
「わかった。頑張る。」
ポケギアを切ると、軽く伸びをしてベッドから出た。レッドもつられるように上半身を起こす。
「会議って随分急だな。」
「本当に・・・。」
「まぁ、情報収集頼んだよ?」
「ん〜、大した情報、ないと思う、多分・・・。」
そういえばいきなりカスミが集めるのだからカントーだけだろうが、もっと遠い町のジムリーダーはどうするのだろうか。グレンなどは、一時間は無理だろうに。
なにはともあれ、とりあえず未だ回らない頭をスッキリさせたい。お風呂貸して、と声を掛けて、シャワーを浴びに浴室へと向かった。