PKSP3

□シャボン玉を弾く
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「レッド?」



ふと、今まで大人しく座っていた我が子が立ち上がり、トコトコと母の元へ歩き出した。大人たちが見守る中、レッドは小さな手でグリーンの頭を撫で始める。きょとんと見上げるグリーンの表情に、手はそのままで、不思議そうに首を傾げた。



「ないてるかとおもった」

「ないて、ないもん!」



ムッとしたように言い返すグリーンに、レッドはにこりと笑ってみせる。頭から退けた手をグリーンに向け、改めて笑いかけた。



「じゃあ、いっしょにあそぼ?」

「・・・・・あら」



嬉しそうに手を繋いで何やら話し合っている幼子たちに、ハーライトが小さな声を上げた。



「レッドから人に声をかけるなんて、珍しいわ」

「そういやそうだな」



育てやすいといえば育てやすいが、少々大人しすぎるきらいがあると感じていた夫婦には、嬉しい出来事だったらしい。双方瞳を細め、観察している。



「・・・・大丈夫?変なことして泣かしたりしないかな、うちの子・・・・」

「大丈夫よ、レッドは大人しいだけで、気は弱くないから」




















「っていう、話」

「ごめん、聞いても全然憶えてない」



そもそも自分が大人しくて育てやすい、という時点でちょっと怪しい、とレッドは内心思った。



「小さい、頃から、レッドに、引っ張って、もらってた、のかな?」

「そんな大袈裟な・・・・・」



自分の憶えていないところで、それでも確かに繋がっていた。それが何だか嬉しくもあるし、照れくさくもある。



「・・・・・また、さ」

「うん?」



穏やかに微笑みながら、レッドがそっと凭れてくる。繋いだ手はそのままに、自らの頬に当て、思い出話を真似るように、改めてグリーンに笑いかけた。



「また今度、こういう話もしようね?」










End.
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