PKSP

□愛し君へ6
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歯車は回る。



くるくる、くるくると――。




















ピルルルル。ピルルルル。



・・・ん・・・電話・・・?



ポケギアの呼び出し音で目が覚めた。半ば寝惚けたままポケギアを手に取り、耳に当て――一瞬で後悔した。



『グリーン!!出るのが遅いわよ!!』



何回コールしたと思ってんの!?



大音量で聞こえるカスミの声に、思わずポケギアを遠ざける。



「う、うるさ・・・」

『なぁんですってぇ!?』



さらに大きくなった声に、横でまだ眠っていたレッドの眼が開く。起こしてしまったらしい。ぼんやりとした赤瞳が、段々と明度と彩度を取り戻していくのを見つめ、綺麗だな、と思う。



はっきり目が覚めてきたらしいレッドは、思い切り眉間に皺を寄せた。・・・ヤバい。機嫌が悪いかもしれない。



未だポケギアからはカスミの怒鳴り声が聞こえている。とりあえずレッドの頭を撫でて、機嫌を取ってみた。振り払われないし、それほど悪くないようだ。



「どうか、したの?」



そう尋ねると、未だ怒りを引きずった声で、会議するわよ、あたしの家に来なさい、と告げた。



「会議?何で?」

『最近ポケモンと子どもが誘拐される事件があるでしょう?』

「あぁ、例の、奇病?」



何の気無しにそう言うと、カスミが絶句した。



「ん?どうしたの?」

『アンタ、』



震える声が告げる。



『アンタ、何でそこまで知ってるの?』

「え?」

『それは、トップシークレットのはずよ!?何で知ってるのよ!?』



そうだったのか。どうやってごまかそう。



ぼんやりそう思うものの、寝起きの頭で上手い言い訳が考え付くわけもなく、焦れたようなカスミの声に、いっそ切ってしまおうか、などと考える。すると、急に横から手が伸びてきた。そのまま、ポケギアを奪われる。



「もしもしカスミ?」

『レッド?グリーン、アンタ今どこにいるのよ?』

「遊びに来てて、泊まったんだよ。」



驚くカスミを上手く宥めて、レッドはあっさり言った。



「教えたのはオレだよ。協会から要請があってさ、捜査に協力してくれって。」

『そうなの?』



本当に?



以外と疑り深いカスミだが、グリーンも同感だった。・・・そんな話初耳だけど?



ふと視線に気付いたレッドが、こちらを向いて舌を出した。・・・やっぱり嘘か。



結局コイツはどこで情報を仕入れたんだろうか?



・・・訊いても答えないだろうな。
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