PKSP
□愛し君へ5
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好きだよ・・・?
何でそんな昔のことを知ってるんだとか、自分だけ知らないなんて狡いだとか、ゴールドは散々騒いでいたが、グリーンが寝る、というか寝かすからと家の外へ引っ張り出し、成り行きで何故かフルバトルをして・・・。
家主不在のまま、がっつり楽しんだ後、ゴールドは起きたばかりのレッドに挨拶をしてすぐに帰ってしまった。
「結局何しに来たんだアイツ・・・?」
「んん・・・・・遊び?」
呆れたように呟くレッドに、グリーンが何とも言えない表情で言った。別にいいのだが、遊びに来た相手が寝ている間に他の先輩と遊んで(バトルして)帰るのなら、わざわざカントーに来なくても、ジョウトの知り合いと遊べば良かったのに。そんな気もする。
「本当にただ遊びに来ただけだったみたいだなぁ。」
苦笑混じりにそう呟いて、レッドは伸びをした。
「寝れた?」
「まぁね。」
顔を覗きこむと、隈は消えている。きちんと睡眠はとれたようだ。
良かった。コーヒーなんぞを淹れてきたときには、コイツ絶対寝る気がないな、と思ったのだが。
夕日で辺りが紅く染まりつつある。けっこうな時間が経っていたらしい。そういえば昼食を食べていない。レッド自身は別にいいのだが、2人はどうしたのだろう。レッドが作らなければ、料理はできないはずだ。
「昼はどうしたんだ?」
「昼?」
心底不思議そうにそう返し、暫し考え・・・。
ああ忘れてた、という返事に軽く脱力した。・・・そんなことだろうと思ったよ。
「じゃあこいつらも何も食べてないのかな?」
擦り寄ってきたピカを抱き上げて、レッドは呟いた。嫌なことがあると容赦なく(レッド以外に)電撃を浴びせるピカが大人しいところを見ると、彼らもレッドを起こさないよう、気を遣ってくれていたのだろう。申し訳ないことをした。
「それじゃあ、帰る。」
そうグリーンが言った途端、レッドは彼に抱き着いた。
「帰るの・・・?」
寂しかった。いつものことなのに。慣れているはずなのに・・・独りがどうしようもなく寂しく感じた。
普段あまりしない行動に驚いたようだったが、グリーンは敢えて触れずに、泊まろうか、と尋ねた。
「うん・・・泊まって?」
今日は、独りになりたくない。
予想外に弱々しい声に自分自身驚いたが、グリーンはやはり何も言わず、頷いた。