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□疑似兄弟
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今日も今日とて、元気というか、何と言うか。



眼前にはお馴染みと化したお子様組(と、セシルはひそかに呼んでいる)、バッツ、スコール、ジタン、ティーダ。背後には、腕を組んだクラウド。さらにその背後には、無惨にも壊されたテント。



何時ものように、バッツとジタンがスコールをからかい、怒ったスコールが二人を追い掛け−−−−そこまでは良かった。



その最中、スコールが投げた石が、運の悪いことに、ティーダに当たってしまった。すぐに謝れば済んだのだろうが、頭に血が上っていたスコールは、ついすっ飛ばしてしまい。



怒ったティーダが混ざり、何故か疑似戦闘もどきへと発展してしまった。



少し離れた所にいたクラウドが気が付いた頃には、もうすでに半壊していた。やむを得ず、彼にしては非常に珍しく、力ずくで四人を止め、今に至る。四人が妙に大人しいのは、クラウドの怒りを恐れてのことらしい。



全く、とセシルは溜息を吐いた。騒ぐなとは言わないが、限度というものを知らないのか。



「やり過ぎだ。」



呆れた声でそう言うクラウドに、四人の肩がピクリと動いた。普段物静かな人物程、怒れば恐いものだ。



とはいえ、彼は別段怒っている訳ではないらしい。お説教は終わり、と言うように、ふう、と息を吐くと、テントの方を振り返った。



「ウォーリアが帰ってくるまでに、直してしまおう。」



暗に「内緒にしておいてやる」と言われ、スコールが瞳を見開いた。彼が何か言う前に、ティーダが素早く立ち上がり、クラウドの腰辺りに抱き着いた。



「クラウドー!!ありがとう!大好きっスよ!!」



仔犬を彷彿とさせる笑みを浮かべ、ティーダはぎゅっと力を入れた。クラウドは驚いたのだろう、キョトンとしている。その表情は何処かあどけなく、実年齢より幼い顔立ちを、より幼く見せた。



「ティーダ、何してんだよ!」



ケラケラと笑いながら、ジタンも真似るようにクラウドに抱き着く。二人も腰にぶら下がれば重たかろうに、クラウドは意に介した様子はない。



「ああ、もう。クラウドは甘いねぇ。」



テントを片付けたところで、ウォーリアが気付かないという保証はないし、第一、片付けの最中に帰って来たとしたら、クラウドも一緒に怒られるというのに。



「スコール、お前は行かねーの?」

「は!?」

「だ、か、ら、クラウドに抱き着かねーの?」

「!!??(そんなことする訳ないだろ!?というか、17にもなってできるか、恥ずかしい!!第一、片付けるんじゃないのか!?)」



僅かに赤面し、口をパクパクさせているスコールを、バッツが面白そうに見ている。



「お兄ちゃんは大変だね・・・・・・」



思わず呟いたセシルの一言に、スコールが異常に反応したのは、まぁ見なかったことにしておいてあげよう。










End.
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