PKSP2
□make a sudden change(Normal Ver)
1ページ/5ページ
誰が予想できただろう
こんなことになるなんて――――
・・・まあ、予想できたら殴ってでも止めてたけどね!!
・・・・・・・・・。
誰でもいいから、この状況を説明して欲しい。
ソファにはすよすよと眠っているグリーン。
・・・オレが出掛ける前には起きて・・・いや、まあそれは別にいい。
十分ほど外に出ていただけのはずなのに、熟睡し過ぎな気もするが、彼は(基本的には)人畜無害だ。・・・トラブルホイホイ一号ではあるが。
問題は、やたらとテンションの高いトラブルホイホイ二号・・・基、ゴールドだ。
その隣で何かを諦めたような、悟ったような顔をしているシルバーは、おそらく巻き込まれただけだろう。
・・・主犯はコイツか。
「せーんぱい!遅かったっスねぇ!」
「・・・うん、そうだな・・・。」
レッドは、自分のこめかみが引き攣っているのを感じた。説明して欲しい、と言っても、部屋の状況から、本当は大体の察しはついている。
「ゴー、訊いてもいいか?」
自然と低くなった声と、鋭い眼光に、シルバーがびくりと身体を竦ませたのが見えた。呼ばれた本人は、へらへらと笑いながら、何スかぁ、と暢気に返してきた。
「・・・コレは、何?」
「チューハイ、スね!!」
「・・・何で、チューハイの空き缶が、ウチの中に転がってんの?」
「え〜、そんなの決まってるじゃないスかぁ!」
ビキビキと音が聴こえそうなくらい、盛大に青筋を立てているレッドに、シルバーが必死でゴールドを止めようとしているものの、アルコールが入って気の大きくなっているゴールドには伝わらない。
「おい、さっさと謝れゴールド!!そのスカスカの頭、かち割られるぞ!!」
「・・・シルバーも結構酔っ払ってんな・・・。」
シルバーの一言に、少し頭の血が下がった。・・・依然として腹立たしいのは事実だが、飲んでしまったものは、何と言うか、仕方がない。
「しっかし、弱いなお前ら・・・。」
レッドが席を立ったのが十分前で、彼らが自宅に訪ねて来てからそれまでは、酒盛りなんぞしていなかった。というか、レッドが許すはずがなかった。・・・何歳(いくつ)だと思ってんだ、コイツらは。
何本飲んだのかは知らないが、十分程でできあがるのは、ちょっと弱すぎやしないだろうか。
ちなみにレッド自身は、好んで飲酒はしないものの、ザルだのワクだの言われる類の人間だったりする。
「グリーンにも、飲ませたの?」
「ゴールドの奴が、『ジュースだ』って・・・」
グリーンの性格上、本気で気付かなかったのか、それとも『ま、いいか』と思って知っていて飲んだのか、判断が難しい。どのみち彼は酒に弱い。前にブルーが持ち込んだ時は、缶一本で、『もういい』と言っていたくらいだ。
そこでレッドは、ふと気がついた。空き缶は全部で五本。うち、ゴールドの前に二本と、シルバーの前に一本。
・・・限界量、超してなきゃいいけど・・・。
いまいち行動の読めないグリーンを見やる。
と、そのとき、視線を感じたのか、ゆっくりとグリーンが起き上がった。