PKSP2

□愛し君へ24
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こんなの、予想していなかった・・・?



知らないよ・・・




















――じみた・・・だ・・・――



何の声だ?



――嘘でしょう!?――



・・・母さん?



――解らない・・・とにかく、見てくるよ。子どもたちを、頼むよ?――



そこで、急に視界が揺れた。



そして、再び視界が安定すると、そこは・・・



「レッドの家?」



ああ、そうか、あの『夢』なのか。



「あの火事は、レッドの家のことなんだっけ・・・」



何とはなしに周りを見渡すと、一本の林檎の木が目に飛び込んだ。



「林檎の木・・・やっぱり、この『夢』が関係してたんだ!!」



ゴールドが知らないはずだ。・・・今、目の前で、林檎の木は燃えている。煌々と。



その時、一台の車が走ってきた。父の車だ。



「これは・・・とにかく、中へ!!」



父と共に来た街の人も、共に駆け込んでいく。



「どうしよう・・・」



気になる。でも、中は、中には、きっと。



死体、が・・・。



「あああぁあぁあぁあ!!」



聴こえてきた悲鳴に、身体がびくり、と反応した。



「子どもの、こ、え・・・?」



今入っていったのは、父をはじめ、皆成人した男性だったはずだ。



と、いうことは・・・。



「レッド!?」



一瞬、自分の姿がおそらく他の人には見えないことも忘れ、グリーンは中へ入った。



そして、そこは・・・。



「な、・・・何だよ・・・コレ・・・」



声が震える。瞳が潤み出すのが解った。



床中に広がる血と、・・・何かの欠片。・・・おそらくは、肉片。



入り口付近には、顔も身体も、何もかもが判別不可能な死体が、一つ。



辛うじて、その髪が銀色であるのがわかった。



奥には、全裸の女性の死体。



明らかに強姦された痕があるさらに、腹部を引き裂かれていた。



女性の死体の傍には、複数のポケモンの死体。



そして、・・・大人に怯える、小さな男の子。



「れ、レッド・・・」



彼も、血まみれになっていた。その服も、白い頬も、華奢な指も、全てが真っ赤だ。



そして、レッドのすぐ横に、赤い、人形のような、もの、が・・・。



・・・女性は、腹を切られていた。



まさか。



「い、いやぁ!!」

「落ち着いて!!僕たちは、君を助けに来たんだ!!」

「もう止めて!!父さまや母さまを苛めないで!!皆を斬らないで!!」

「大丈夫、大丈夫だから!!」



必死で鎮めようとする声も耳に入らないのか、ガタガタと震えるばかりだ。



気が可笑しくなりそうだ。部屋も、人も、全てが赤い。赤い、赤い赤い赤い赤いアカイアカイ・・・!!
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