PKSP2
□愛し君へ21
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このくらいで泣かないでよ
こんなの、序の口なんだから
レッドがシンオウへと出掛け、オーキド研究所が襲われた翌日。
グリーンは朝から大忙しだった。
まず、アンズから電話があり、サファリパークのポケモンたちの様子が可笑しいと相談された。様子見がてら出掛けると、問答無用で襲われて、一旦捕獲する騒ぎになった。
それが終わると、今度はイエローから電話がきて、トキワの森に不穏な空気を感じと言われ、パトロールをした。
さらにジムに帰ると、カスミから連絡があり、各地で似たような事件が起きているのだと告げられた。
ってことは、暫くはこの忙しさが続くのか。
一人溜息を吐いていると、誰かが来たらしい。
いい加減にしてくれ、そう思いながらも、居留守を使うわけにもいかず、しぶしぶ出ていく。
「どうしたのよ?何だか、疲れてない?」
そこにいたのは、ブルーだった。彼女が自宅ではなく、ジムを訪ねてくる時は、大抵余りいいことは起こらないのだが、変な業者よりはずっといい。
朝からあったことを伝えると、ブルーは瞳を円くした。
「各地でって・・・一体何がどうしたって言うのよ?」
「天変地異の前触れか?」
「止めて。」
アンタがそう言うと、本当に起こりそうで嫌だわ。
ブルーは深刻な顔でそう言い返した。
「明日からは、アタシも協力するわよ。・・・レッドは?」
「留守。」
「はぁ?このタイミングで?」
まさか事件の最中に旅に出たわけではないだろうが、彼らしからぬ行動だ。ブルーは戸惑った。
「変じゃない?」
「変だけど・・・。」
言葉を濁すグリーンに、一層怪訝な顔になる。
「何よ、隠し事?」
「隠し事、というか、・・・話してしまっていいのか、判らなくて・・・。」
「・・・そ。じゃあ、話せるようになったら、教えてね?」
気にはなるが、困らせたくはない。
そう思いブルーは身を引いた。
「そういえばお前、今日はどうしたんだ?」
「そうよ!!グリーン、聴いて!!」
犯人に、関わっていそうな奴、見つけたのよ!!
そう、興奮したようにブルーは言った。