PKSP
□愛し君へ17
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「プラチナも、よく頑張ったな。」
ギンガ団のこと、伝統のこと。
本当によくやったと思う。屋敷から殆ど出ることすらない生活を送っていた彼女が、よくここまで成長できた。
確執やら何やらと、煩わしいものが多いため、話してはいないが、プラチナが図鑑所有者になったと聞いたときは、嬉しいかった。
尊敬してやまない従兄からの褒め言葉に、プラチナは、はにかんだ。
「そうです、お兄様、私の友人に会ってはいただけませんか?」
友人?と返すレッドに、大きく頷いてみせる。
「私以外の、シンオウの図鑑所有者です!二人が、私のボディガードをしてくださったんです。」
図鑑所有者がボディガード?
シンオウで起こった一連の事件の概要は知っていても、詳細までは流石に知らないレッドは、首を傾げた。
確か、他の図鑑所有者も、プラチナとさほど歳は変わらないはずだ。そんな子どもを護衛にするなんて、叔父は何を考えていたのやら。
何故レッドが微妙な顔をしているのか解らないプラチナは、少し緊張した。
もしかしてお兄様、ダイヤモンドやパールと会うの、お嫌なのかしら。
そんなプラチナの不安を感じとったレッドは、慌てて笑顔を浮かべた。
「ああ、いいよ。オレも会ってみたいしな。」
その一言に、プラチナの顔が明るくなった。
その時。
急に部屋の電話が鳴りだした。
「私が。」
そう言ってプラチナが受話器を取ると、よく知った声が聞こえた。
『プラチナくんか?』
「ナナカマド博士?どうしたんです?」
『なに、オーキド君から、君と連絡を取るよう頼まれてね。お孫さんが、君に尋ねたいことがあるんだそうだ。』
「・・・グリーン?」
レッドの小さな呟きは、プラチナには聞こえなかった。
それゆえに、ハーライト、という単語を聞いた彼の顔が、蒼白になったことも気付かなかった。
「お兄様!?」
突如受話器を奪われ、通話を切られたプラチナは、驚いて、少し非難するようにレッドを呼んだ。
しかし、彼の顔色を見て、責める言葉は何処かに消えてしまう。
代わりに宜しいのですか、と尋ねた。
「・・・いいんだ。」
絞り出すような、苦しげな声でレッドは答えた。
To be continued.