PKSP
□愛し君へextra5
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で、今に至る、と。
ルビーさんの誘いを断りきれなかったボクは、結局コンテストに参加することになった。
で、今はホウエンにいる。これから、かわいさ部門のノーマルランクに挑戦するところ。
・・・ううぅ。緊張してきた。
そんなボクを気遣って、チュチュが声を掛けてくれた。
「大丈夫だよ、チュチュ。」
うん、声が震えてる。全然大丈夫じゃない。
「緊張しすぎですよ、イエロー先輩。この僕がついてるんですから!!」
ルビーさんがそう言って励ましてくれた。
「ほら、出番ですよ!笑顔笑顔!」
ルビーさんがニッコリ笑った。釣られてボクも笑う。
よし!元気が出てきた。折角来たんだから、楽しまなきゃ損だよね。
「行こう、チュチュ!!」
ふ〜。・・・終わった。
緊張しすぎて、ちょっと記憶が曖昧になってるけど、上手くいって良かった。
「優勝おめでとうございます、イエロー先輩。」
ルビーさんが紙コップを渡してくれた。ありがとうございます、と言ってそれを飲む。
一息吐くと、何だかどっと疲れが出た。流石にバトルの時みたいに、眠くはないけど、コンテストも案外疲れるんだ。知らなかった。
「ルビーさんのアドバイスのおかげです。」
そう言うと、とっても嬉しそうに笑ってくれた。
普段は大人びたところがあるのに、本当にコンテストが好きなんだなぁ。
そう思って、微笑ましい気分になる。
「で、どうですか?楽しかったですか?」
期待で瞳をキラキラさせながら、ルビーさんが尋ねてくる。
う〜ん・・・。途中の記憶が飛んじゃってるけど・・・。
思い出してみる。
たくさんのポケモンたち。
沸き上がる観客。
チュチュを可愛い、と褒めてくれる皆。
た、楽しいかもしれない・・・!
「また、一緒にコンテストに出ましょうね?」
満更でもなさそうなボクを見て、ルビーさんは屈託のない笑顔で、そう言った。
End.