PKSP

□A punishment from Heaven
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「せーんぱい!」

「ん?何?・・・・・・!!??」



レッドの履いているジャージを掴み、いきなり下ろしてみせた。華奢な足が露になる。



突然のことで瞳を白黒させていたレッドだったが、状況を把握したのか、白い頬が一気に紅くなる。



ゴールドはにんまりした。



悪戯成功!!



「何やってんだよお前は!!」



レッドに叱られるが、真っ赤な顔で、眉を八の字にした状態で怒られても、恐くはない。



「可愛い悪戯っスよ!!」

「もう・・・。放せよ。」



呆れたようにそう言って、ジャージを上げる。もうされないようにか、そのまま紐をきつく縛った。



「ったく、お前は・・・。グリーン?どうした?」



先程から黙り込んだままのグリーンに、レッドが声を掛ける。



「てんちゅう。」



ふいにそう呟いたグリーンに、二人して首を傾げた。



てんちゅう・・・てんちゅう?



「何スかそれ?ピカチュウの仲間っスか?」



訳が解らず、ゴールドがそう返した。



「待ってグリーン、『てんちゅう』って、」



気付いたレッドが止めようとしたが、グリーンの方が早かった。



ごいんっ!!



本日三度目の衝撃音がオーキド邸に聴こえる。



「〜〜〜〜〜!!!」



ほぼモーションなしに、遠慮なくゴールドの頭を殴ったのだ。



余りの痛みに声も出せずに蹲るゴールドを見て、グリーンは満足げに頷いている。



「〜〜いきなり、何するんスか!?」

「いきなりじゃない。ちゃんと宣言した。」



噛み付くように抗議するゴールドに対して、心外だ、と言わんばかりにグリーンが言い返す。



「『てんちゅう』って、天誅、のことか・・・。」



レッドがポツリと呟いた。



「でも、何で天誅?」

「レッドは、こういうことが嫌いだから。」



半ば呆れたように訪ねるレッドに、グリーンは真面目に言い返した。



「可哀想。」

「ああ・・・うん・・・そういうこと・・・。」



何とも反応し辛い。



確かにこういった悪ふざけはレッドの余り好まないことではあるが、たかが後輩にズボンを下ろされただけのことである。本気で怒るほど狭量な人間ではないつもりだ。



「先輩は別に怒ってないじゃないっスか!!」

「怒ってなくても嫌い。」

「つーか、グリーン先輩がムカついただけでしょ!?」

「俺もムカついたよ?」

「ほーら、ただレッド先輩の足を見られたくなかっただけでしょうが!!」

「ゴールド・・・その発想、何か嫌だ。キモい。」

「キ、キモ・・・」



その様子を見ながら、レッドは溜息を吐いた。



グリーンに口で勝つのは至難の技だ。何せ、彼の言うことはあちこちに飛びまくるのだから。



この不毛な争い(片方はすでに半ば飽きている)は、もう少し続きそうだ。



そう思い、再度レッドは溜息を吐いた。










End.
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