PKSP
□愛し君へ10
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「こんなことって、ありえるのかしら・・・?」
呆然と呟くと、電話の向こうでグリーンの唸り声が聞こえた。
「機械だから、故障自体は可笑しくないんだけどな・・・・。ともかく、俺もこれからマサラに帰る。・・・お前はどうする?帰るんなら、迎えに行くけど。」
「アタシも帰るわ。お願いしていい?」
「判った。」
携帯の終話ボタンを押し、眉根を寄せる。
何だか、良くないことが起きている気がするわ・・・。
「うぅむ、やはりどれも故障はしておらんの。」
オーキド博士の言葉に、レッドは目を伏せた。
研究所にいたクリスタルの図鑑も、同じように共鳴音が鳴っていた。三台の図鑑全てを確認したが、特に異常はなかった。
予想していたこととはいえ、これではお手上げだ。
「レッド先輩。」
シルバーに名を呼ばれ、レッドは振り向いた。いつもは表情の薄いシルバーも、今ははっきりと困惑が見てとれる。
「ジョウトのゴールドと連絡が取れました。・・・アイツの図鑑は、共鳴音が鳴らなかったそうです。」
「ルビー君サファイアちゃんエメラルド君にも訊きましたが、何もなかった、共鳴音はなってない、そうです・・・。」
続いて報告したクリスタルも不安そうだ。
「そうか。・・・大丈夫、そんな顔すんなって!」
二人を励ますため、レッドはわざと明るい声を出した。
・・・故障ではないとすれば、何なのだろう。怪電波の類だろうか?・・・でも、一体、誰が、何のために・・・?
疑問は、増えるばかりだった。
To be continued.