PKSP
□愛し君へ4
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「グリーン先輩!!」
聞き覚えのある声に名を呼ばれ、後ろを振り返る。
声の主−−ゴールド−−は、まだ朝早くにもかかわらず、相も変わらずテンションが高いらしい。眩しいばかりの笑顔でこちらに走ってきた。
「今日はジムいいんスか?」
「大丈夫。今日は、・・・・・自主トレ?」
「・・・マジで?オレの知り合いで、熱あんのにジム開けて、ぶっ倒れたヤツいるんスけど・・・」
「それ、ハヤト?」
「当たりっス。あの人頑張り過ぎですね。」
先輩も、レッド先輩ンとこ行くんスか?
そう問うてきた後輩に頷いてみせる。
「何か、用?」
「いや、遊びに来ただけっス。先輩こそ何かあったんスか?」
そう返され、少し考える。ロケット団しかり仮面の男事件しかり、仲間は多いにこしたことはない。話してしまっても問題ないだろう。
「昨日・・・」
「っ二人とも!何してんだ?」
しかしグリーンの話は、慌てたようなレッドの声に中断された。
「あ、レッド先輩!」
「ゴー!遊びに来たのか?久しぶりだな」
ゴールドに気付かれないように、レッドが小さく目配せをした。
(話すなって、こと・・・?秘密にする、必要あるの?)
もしかしたら、彼は危ないから、と思っているのかもしれない。
(考え過ぎ。ゴールドも、所有者、なんだから)
そう思ったものの、言わないでおいた。どうせ、バレるのも時間の問題だろう。
「先輩・・・もしかして、寝てません?」
ゴールドの心配そうな声に改めてレッドの顔を見ると、成る程白い肌にうっすらと隈が見える。
「あぁ、うん・・・」
歯切れ悪く返事をするレッドに、ゴールドが寝ないと!などと慌て出した。
「や、大したことないよ。大丈夫。」
「大丈夫、当てにならない。」
グリーンは思わずそう言い返した。どっちの味方だ、と言いたげな視線を感じたが、本当に当てにならないのだ、彼の『大丈夫』は。
二人に見つめられ観念したのか、レッドは不満そうにしながらも、寝ればいいんだろ、と言った。