PKSP
□愛し君へ18
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抗ってやる。
どこまでも――
目が覚めたはずのダイヤモンドは、自分の視界に映る人物が信じられなくて、目を擦った。
あれ?オイラ、まだ寝惚けてる?
「おはようございます、ダイヤモンド。」
「・・・ぉはよう、お嬢様・・・。」
何でいるの?
ぐるりと視線を部屋に沿わせる。
・・・うん、オイラの部屋だ。
昨夜、就寝前にはいなかったはずのプラチナが、目の前で何故か正座している。
隣では未だパールが眠っている。いや、まぁそれはどうだっていい。昨日泊りがけでネタ合わせをしていたのだから、彼がいても何も疑問はない。
「お嬢様、何でいるの?」
「家の方に許可は戴いています。」
いや、そうじゃなくて。
大真面目な顔でかなりズレた返答を返すプラチナに、ほとほと困り果ててしまう。
いつものことと言われれば、いつものことなのだが。
「ダイヤモンド、パールを起こしてくださいますか?」
「へ?ああ、うん、いいよ。」
こちらの困惑はどうでもいいのか、気付いていないのか(おそらく後者だろう)、プラチナはマイペースだ。
「パール、パール、起きてよ!」
「う〜ん・・・五月蝿いなぁ・・・。」
「いいから起きてって!!お嬢様が来てるんだよ!!」
「はぁ?お前、何言ってんだよ・・・って、お嬢さん!!何で此処にいんだよ!?」
だからさっきから言ってるのに。
ダイヤモンドが呆れてそう呟くが、全く気にした様子もなく、パールは飛び起きた。
「何だよ、遊びに来たのか?にしても早ぇぞ!?もしかして、何か事件か!?」
よく起きて直ぐにそれだけ話せるものだ。
慣れていない者なら圧倒されるであろう勢いだが、生憎、ダイヤモンドもプラチナも、彼の勢いにはいい加減慣れている。
「おはようございます、パール。事件ではありません。遊びに来たことには変わりはありませんが、今日はお願いがあって来たのです。」
パールが落ち着くまで暫し放置して、平然とプラチナはそう言った。