PKSP
□愛し君へ17
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巻き込んで、なるものか――
プラチナはご機嫌だった。
旅が終わった今も、二人のお供――ダイヤモンドとパール――は、「親友」という形に変わり、親交を続けている。
その大切な親友二人のネタ合わせを見せてもらい、バトルもした。
「あの二人は本当に面白い・・・。どうして、もっと有名にならないのでしょう?」
そう呟きながら、屋敷へと向かう。
ああでも、有名になって、私と遊ぶ時間が少なくなってしまったら、寂しいですね。
そんなことをつらつらと考えながら門を開けてもらい、中に入る。
「あら?」
何だか屋敷内が騒がしい。どうしたというのだろうか。
「何かあったのですか?」
お嬢様、お帰りなさいまし、と近づいてきたセバスチャンに尋ねるも、言葉を濁すだけではっきりしない。
「お嬢様、お部屋へお戻りくださいまし。」
怪訝な顔でセバスチャンを問い詰めるプラチナに、メイド長が声を掛ける。
「何故ですか?お客様でもいらしているのでは?」
「あのような者は、客人とは言いません。」
どうぞ、お戻りを。
慌てたように、それでも優しく促すメイド長だったが、プラチナは従う気は毛頭なかった。
レッドお兄様が、いらっしゃったのですね。
母や屋敷の使用人の大半は、彼を毛嫌いしているが、プラチナは、従兄のことが大好きだった。
バトルが滅法強く、リーグ制覇経験のある従兄は、人柄も優しく、聡明だ。そんな大好きな従兄に会えるのだと、プラチナの気持ちはさらに膨れ上がった。
しかしすぐに、その気持ちは沈んでぺしゃんこになってしまう。
メイド長の言葉を思い出す。・・・彼は客人ですらない、というのだ。
幸か不幸か、なぜレッドがこうも嫌われているのか、プラチナは知らない。尋ねても、お嬢様がお気になさる必要はございません、と突っぱねられるだけだ。
ハーライト伯母様が、富も名誉もない方とご結婚なさったことが、そんなに気に入らないのかしら。
何にせよ、私には関係のないことです。
そう思い、使用人の示すのとは逆の方向に向かおうとする。
「お、お嬢様、そちらはいけません!!あのような者に、高貴なご身分たるお嬢様がお会いなさるなんて!!」
「そんなの、私には関係ありません!!」
そう言って走り出した。