PKSP
□仲良きことは美しき哉
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大好きだよ!!
今日も明日も十年後も、ずっと一緒にいようね!!
「ただいま。」
「お邪魔しますっ!!ああもう!!」
いつもどおりのグリーンと、対照的に、機嫌が悪いのを隠そうともしないブルーが、トキワジムへと入ってきた。
「あれ、姐さん、ちわっす・・・て、どうしたんスか?」
先程、グリーンは一人で出掛けてたはずだ。そう思い、ブルーに挨拶をしたゴールドだったが、余程機嫌が悪いのか、ブルーはいつものように笑いかけてはくれない。あちこちから後輩たちの挨拶も聞こえるが、彼女の様子は変わらなかった。
一瞬喧嘩でもしたのだろうか、と思ったが、この二人に限ってそれはないだろう。現に今も手を繋いでいる。
・・・それで帰って来たのかよ・・・。
少々げんなりしたが、まあこの際放っておこう。
ついでに、早くも不穏なオーラを放っているシルバーも、放っておこう。・・・これくらいで一々怒んなよ。いい加減慣れろ。
「どうしたもこうしたもないわよ!!ホントに腹が立つわ!!」
未だ手を繋いだまま、手近にあったソファに腰掛け、ブルーは顔を顰めた。
何がそこまで彼女を立腹させているのか解らない。横にいるグリーンは知っているのだろうが、どうどう、と宥めているだけだ。
「あれ、お帰りグリーン。ブルーとどっかで会ったのか?」
「ああ、帰りに偶然。」
サファイアにねだられてバトルをしていたレッドが二人に気付き、声を掛けた。ブルーの様子にも気付き、首を傾げて尋ねる。
依然ぶすっとした顔のブルーが、勢いよく捲し立て始めた。
「ちょっと聞いてよ!!暇だったから、ジムに行ったら誰かいるかな、って思って此処に向かってたら、グリーンに会ったの。で、一緒に行こうと思って、並んで歩いてたのよ!!」
「手、繋いだままですか・・・?」
「そうよ?何でそんなこと訊くの?」
「・・・いえ、何でもないです・・・。」
勇気を持ってツッコんだルビーだったが、心底不思議そうに(しかも若干苛々しながら)返され、すごすごと引き下がった。涙目になっている彼を、サファイアが慰めている。
オシャレ小僧、お前はよく頑張ったよ・・・。
何せ怒らせると恐い人物2だ。彼女に逆らうことができる者など、(マサラ組の二人を除いては)此処にはいないだろう。
ちなみに1はレッドだ。彼を怒らせたら、もう誰にも止められない。
「その帰りに、何かあったのか?」
「絡まれた。」
今度はグリーンが返した。
どうでもいいが、この温度差は何なのだろうか。
「絡まれたぁ?」
レッドが瞳を円くして繰り返す。
「そうなのよ!!いきなりやってきた不っ細工な男が!この子に向かって何て言ったと思う!?『あんたの爺さんが凄いから、もてはやされてるのが解らないのか』よ!?ああ、もう、本当にムカつく!!グリーンがどれだけいい子かなんて知らないくせに!!」
「え!?絡まれたのって、グリーン先輩!?」
ルビーを慰めつつ、遠巻きに眺めていたエメラルドが、思わず呟いた。
「そうよ!さっきからそう言ってるでしょ!?」
いえ、初耳です。
「言ってないって。一言も。」
呆れたようにレッドが言う。彼はブルーを恐がってはいない。