PKSP
□愛し君へ15
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あーあ、だから言ったでしょ?
逃げないの、って・・・。
「グリーン、ちょっとこっちおいで。」
再び家に戻ったグリーンは、話しかける前に母親に呼ばれ、はて、と首を傾げた。
何か怒られるようなことをしただろうか?
強いて言えば散らかすだけ散らかして出かけて行ったが、そんな些細(とグリーンは思っている)なことで一々呼び出したりはしない。
呼ばれるままに母の元へ行くと、座れ、と顎で示された。
「正直に言いなさいよ?・・・アンタ、今度は何やらかしたワケ?」
「???何も?」
「嘘つけ!!脅迫電話が来たんだよ!!アンタ宛に!!」
「脅迫文も来たよ。」
「はあぁぁあ!?」
あっさりそう返すと、母の声が一層大きくなった。
「母さん、声大きい・・・。」
「喧しいわ!!」
どこの世界に我が子に脅迫文が送られて、落ち着いていられる親がいるというのだ!?
憤死せんばかりの母とは逆に、グリーンは不満そうに呟いた。
「せめて脅迫が伝わってから次の手を打ったらいいのに・・・。」
あまりにも暢気な意見に毒気を抜かれたのか、母は深い溜息を吐いて、それ以上は追求してこなかった。
「で、訊きたいこと、解ったの?」
「そのことなんだけど、母さん、ハーライトっていう人と知り合いなんだよな?」
「そうだけど・・・何、ハーライトのこと調べてたの?」
先にお母さんに訊けば良かったでしょうが、と、案の定呆れられた。
「いいから!知ってることを教えて欲しいんだ。」
「別日いいけどさ、何でアタシに訊くの?」
「何でって、だから、友達だったんだろ?」
母の言っている意味が解らず、戸惑いながら返す。
「や、そうじゃなくてさ、レッド君に訊きゃあいいでしょ?」
「・・・・・・・・・・・は?」
何でソコでレッドの名前が出てくるんだ?
「あれ、もしかして知らないの?」
「・・・・・何を?」
もの凄く嫌な予感がする。
「ハーライトって、レッド君のお母さんだよ?」