4COMA
□−circus−
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「澪ちゃーん! っ…はぁ…、…お待たせ…っ」
待ち合わせの場所に五分程遅れて来た唯。
肩で息をしながら、しきりにごめんねっ!と謝ってくる。
そんな唯に、大丈夫、今来た所。なんて、何だかお約束的な事を言ってみる。
それは絶対嘘だよー!とようやく顔を上げ、笑顔を見せた。
折角、二人で出掛けるのだからやっぱり笑顔が見たい。
そんな事を考えながら、二人で並んで目的地へと向かった。
◇◇◇◇
「凄かったねぇ〜…」
「うん…凄かった…」
余韻に浸ったまま、ポツリと呟いた。
身体中が熱い。
こんな高揚感は…音楽以外では久しぶりかも知れない。
「…もう、あれだ。…サーカスとかいう枠じゃない」
「だよねぇ…、ちっちゃいころ見に行ったのと全然違うよ…」
比べられては可哀想な気さえしてくる。
でも、きっと。それはそれで楽しいのかも…とも思う訳で。
唯となら…と、そんな事も…
「あー…話したら憂も見たがるだろうなぁ…」
…考えた瞬間にコレってどうなの?
思わず、おいっ!とツッコミを入れてしまう。
そんなツッコミを不思議そうな顔で返されて、その次の言葉を口にするキッカケを失ってしまった。
「ねぇねぇ、澪ちゃん澪ちゃん」
「…何?」
「もう一回見に行きたいね!」
満面の笑みで、そう言われては頷く他ない。
「そう…」
…だな、と言いかけた所で
「次は皆と一緒に♪」
再び放たれた天然爆弾に撃沈させられたのは言うまでもない。
END