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□狼と歌と拗ねた顔
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少し気晴らしに…と、カムイは泉へと向かった。
あの場所の雰囲気は居るだけで心が落ち着くし、何よりアクアに会える可能性が高い。
…尤も、最近は自室で一緒に過ごしているのでそれを目的に行くことは殆どと言って良いほどない。
「いつ来ても良い場所ですね…」
少し天を仰ぐ。
木々の間から漏れる光に、僅かに目を細めた。
…と、不意に足を止める。
「……歌。…アクアさん、でしょうか」
木々の擦れる音や僅かな水音に混じって歌声がカムイの耳に届く。
アクアだろうか、と口にするものの、カムイが彼女の歌声を聞き間違える筈もなく、確信を持ちながら泉へと向かった。