怖い話A

□マウスの飼育
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「あれ・・誰かいる・・」

一本の廊下の左右に扉が並んでいる。その廊下の真ん中あたりに人がいます。廊下の突き当たりは壁。反対の突き当たりは、今除いている壁+窓。

「あれは誰だ?」

無塵衣を着た人が、這っているのが見えました。四つんばいで、身を小さくして、ちょっと進んでは止まり、またちょっと進んでは止まりという感じです。じっと見ていると、ソレの動きは止まりました。そしてこっちを振り返りました。私は反射的にお辞儀をしていました。(エリア内では普通の挨拶の仕方です)そして誰かを確かめようと顔を見ました。

無塵衣の空いている部分(顔の部分)、マスクのせいで目だけしか見えませんが、その目がおかしい。目に何か生えている。距離にして約30mくらい。遠くてよく見えない。よく見ようと身を乗り出した時。ソレが凄いスピードでこっちに向かって這いずってきました。四つんばいなのに滅茶苦茶はやい。

「うわっ!」

思わず声がでてしまった。2〜3mまで迫ったとき、目に生えているものがわかりました。それは注射針でした。向かって左の眼球に注射針が刺さっていました。反対の目は、目元が糜爛(ビラン)しているようで爛(タダ)れていました。その瞬間、ピョンとソレがジャンプして私に飛びつこうとしました。私は目をつぶってしまい、恐る恐る目を開けたのですが、壁(ガラス)にあたっているだろうソレは消えていました。音もしませんでした。ホットしたそのとき、女性の大きな声が!

「許さない!許さない!お前ら覚悟しておけ!*○×▼△!(聞き取り不可能)」

逃げた。私は転げるように逃げ帰りました。職場の人にはこの話をしませんでした。その後転職してしまったので、どうなったかはわかりません。

あれは何だったのか・・ただ、目元の糜爛って、マウスがよくなる症状なのです。
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