怖い話

□後悔
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今日ここで、私が9年前から苦しめられつづけている
後悔と恐怖の記憶を、この話しを見た人に、ほんの少しづつ、
持っていってもらえればいいな、と思い、ここにこうして書かしてもらいます。
実際になにかが憑くわけではありませんが、
そう記述する事で、私自身の記憶の影が、ほんの少しだけ、明るくなるので・・・。
9年前の体験、それは私は某保険会社に入社し、
3年目に突入した矢先のでき事でした。
私は係長になり、4人の部下が居て、その中の3人(I君T君Yさん)は、
一週に2回、欠かさず飲みに行くくらいの中でした。
残りの一人は、この物語には関係無いので、省略させてもらいます。

その日も、私達は4人で行き付けの居酒屋で食べた後、
割り勘で支払いを済ませ、帰る途中でした。いきなり、I君が、
りんご一個がちょうど入るくらいの大きさの、見るからにぼろぼろな
木箱を取り出して見せました。それは変なしかけのある箱で、
以前流行ったルービックキューブのように、色(木目)が
きちんと合うようにそろえると、あくと言う箱でした。
彼の言うには、父からもらったもので、ずいぶん昔のものらしいです。
なんでも、戦争前からあったそうです。

「父はあけれないし、どうせ戦後の焼け跡で拾ったものだから、
と僕に譲ってくれました。」

と言ってました。
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