過去拍手倉庫

□サイゾーとわたしと。
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はぁぁあぁ〜〜

溜息をつきながらサイゾー達に餌をやる。

アンタはいいよね。ブヒブヒ鳴いているだけなのに、沖田さんに愛されてさ。
なによ・・・ブタなんて。
なんでブタなのよ。



・・・沖田さんのばか・・・



「いやですねぇ。誰がばかなんでしょうか。」

後ろからの予想だにしない声に まさか、と振り返ると。



おおおおおおおおきたさん!?!?!


今の聞かれちゃった?
よりによって本人に聞かれるなんてぇぇ!!

こここれはまっっっったくの誤解で!
と心の中で言い訳をする。

声に出そうとしているが、実際には
あっ とか
これっ とか
カタコトしか出ていない。



慌てふためいているところに突然視界が新橋色一色になった。




耳から入る音は、心臓の音と・・・


「どうやら貴方は何も気づいてないようですねぇ。」


覆いかぶさっている着物で篭って聞こえる沖田さんの声。



そう、私は今、沖田さんの腕のなか。


おおおおおおおおおきたさん?
ここここれは?


私は何が何だかわからず手をばたつかせるだけで。

沖田さんはお構いなしに私の頭をなでる。


「サイゾーが来た当初は、全然私に懐いてくれなくて。
こうやって胸に抱いて、頭をなでてこう言ったもんです。
『私は貴方のことが大好きです。だからずっと側に居たい。護りたい。』
サイゾーが懐いてくれるまで声をかけましたっけねぇ。」


沖田さんの声がこんどは優しく耳元で響く。



えええッッ それって・・・
サイゾーに言った言葉、という意味だけですか。
それとも・・・・



沖田さんを見上げるとニコニコと微笑んでくれるだけだった。





貴方が私の気持ちに気付いてくれるまで、もう少し、でしょうか。
それまでは答えは言わないでおきましょう。










着流しの色なんてわかんないから適当に新橋色にしました。
おかしくてもツッコミなしで!
初のほのぼのデスv


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