の
□悪循環
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まず、自分は。
テマリとカンクロウ無しで生きていけるのだろうか。
多分、大丈夫だ。
生きてゆける。
長い間そうだったのだから。
だが、どうした事だろうか、判を持つ手がガタガタと震えてどうしょうもないのだ。
そうして、これが、真の恐怖なのだろうと。
自然に悟った。
まだ、二人は生きている。
現に、カンクロウとテマリが本日の仕事を終えて、談笑しながらこちらに歩いて来るのが窓から見える。
だけど、幻だったら?
本当は二人はとうの昔に死んでしまっていて、自分は幻をみているのでは?
馬鹿馬鹿しい。
我愛羅はそう思いながらも不安だった。
どうしても先程の幻想が頭から抜けないからだ。
頭を振り、震える手で近くにある湯のみに手を伸ばし、茶を注いだ。
すっかり冷えてしまっていたそれは、死肉の冷たさに似ていて、我愛羅は思わず湯呑みを落としてしまった。
湯呑みが割れ、欠片が飛び散り、緑褐色の液体がじわじわと床に浸食していった。
その光景は、我愛羅の不安を更に煽るだけだった。
何か。
何か嫌な感じがして、我愛羅は割れた湯呑みを片付ける気力すら起きずにそのまま座り込んで膝を抱えてしまった。
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