捧
□聖誕祭
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ぶんぶくれた顔の我愛羅を引っ張り出したテマリを思い出し、一人カンクロウはニヤニヤ。
それを運悪く窓の外から見られてしまった。
ちょうど帰ってきた不機嫌極まりない我愛羅に。
あちゃ、と顔をしかめるも時既に遅し。瞬身の術で背後に現れた弟を振り返らずにおかえり、と声をかける。
目は、苦笑しながら家へと駆けてくるテマリへ向けたまま。
ああ、と小さく返事をした我愛羅は乱暴に持っていた紙袋をテーブルへと置き、兄に文句を言う。
「なぜ俺が駆り出されなければならん」
「お前の方が荷物たくさんもてるからじゃね?」
ほら、と未だ我愛羅の周りでふよふよと漂ってる砂に支えられた荷物を指差す。
兄のもっともな言葉に無い眉毛の代わりに眉間の筋肉を寄せて目つきを鋭くする。
そんな我愛羅に笑いながら近寄り、袋の中を見る。
「…ハデなこって。ツリーも無いのにこんなに買い込んでどうすんだよ」
袋の中のキラキラとした玉を一つつまんで取り出し、カンクロウは我愛羅に笑いかけた。
すると我愛羅はますます目つきを悪くし、口をすぼめて。
「…我愛羅の特殊能力はステキだね、とテマリが」
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