の
□こんな細腕じゃあ
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貴方たち二人は。
可愛くって仕方がない。
カンクロウ。
いっつも私を支えてきてくれた、大事な大事な私の弟。
悲しい事があれば慰めてくれたし、嬉しい事があれば一緒になって喜んでくれた。
そして、その大きな体で私を護ってくれる、大好きな子。
我愛羅。
たくさんたくさん、努力して、風影になった、不器用で可愛い私の弟。
たまに見せるぎこちない優しさが、嬉しくってね。
愛おしくってね。
そこに、二人がいると抱きしめたくなっちゃうんだ。
私の可愛い可愛い弟たち。
三人で、熱を分け合おうとしても。
私の、こんな腕じゃあ。
こんなに細い腕じゃあ抱きしめきれなくて。
悲しいのさ。
「何震えてんだよ」
(だってね、カンクロウ。
私の腕じゃあ貴方の腰の半分位までしか届かないの)
「そんな顔するな、テマリ」
(だってね、我愛羅。
姉さんの腕じゃあ、貴方を抱きしめきれないの)
(貴方たち二人を、抱きとめてあげることができないの)
ひとりひとりじゃあ、嫌なんだ。
二人一緒に、抱きしめたいんだ。
だけど、こんな細腕じゃあ…。
おわり
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弟たちは姉さんを置いて行く。