シアワセノウタ
□第一話〜ハジマリノウタ〜
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-カルセリア学園・食堂-
「アルヴァさんおはようございます」
丁度食べ終り食器を戻そうとしていた少年が声をかけた。
「おはようレクト」
この少年は-レクト・アイルカレン-
おとなしく真面目なエルフの少年で、孤児が多いこの学園では珍しく両親健在だった。
もちろん孤児以外の生徒もいる。
ここの生徒はほとんどが平民だが、レクトは違った。
アイルカレンは世界最大の王国、アストファール王国の名門貴族で多くの魔術師を輩出してる家。
レクト自身は自分が貴族であることを気にすることは無いが…気にする生徒の方がもちろん多かった。
「今からご飯ですか?急がないと遅れますよ」
「遅れるって…それは無いだろう」
今の時間は7時半…まだ余裕で間に合うだろう。
「そ、そうですか?ぼくがのんびりし過ぎなのかな…」
「…多分、そうだろ…」
アルヴァは呆れながら言った。