白と黒の翼
□天使と悪魔
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「天罰か…。」
静かな草原に少女が佇んでいた。
「審判者のみが使うことが出来る力…。」
「天使が善で…悪魔が悪とは…限らない…。」
「歴史書に書かれたことが真実とは限らない…。」
「貴方達は真実を得ることが出来るのかな…。」
「見せて貰うよ、異端の子」
「メルはずっと見てるから」
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「あれ…ここは…?」
僕が目を覚ましたのは見覚えがある小さな部屋。
「ここ…僕の部屋だよね…何で?」
たしか…あの草原で気絶したはず…。
「目を覚ましたみたいですね、クルス。」
部屋に少し長い青髪に紺色の目をした青年が入って来た。
「セリウス」
それは間違い無く僕の友達のセリウスだった。
「帰りが遅いから気まぐれで探しに行ったらぶっ倒れていたんですよ。
何があったんですか?」
「僕もイマイチよく分からないんだ…」
「そうですか。
では、あの悪魔と天使の少女は?」
悪魔は…あの子の事だと思うけど…
天使…?
「倒れてたクルス達の怪我を治してくれた子。
生きてるのはあの子のお陰ですよ。」
最後に見たあの白い翼…。
幻とかじゃ無かったんだ…。
「さて…大丈夫ですか?」
「う、うん。」
僕はベットから起き上がる。
「あのお二人ときちんとお話しをしましょうか。」
「わかった。」
僕はセリウスと一緒に部屋を出た。