シアワセノウタ
□第零話〜プロローグ〜
1ページ/1ページ
どれくらい前だったかな…
この世界、アレスティアに災いが起こったのは…
ずっとずっと昔…
人々の欲や悪意…、そういった負の感情のせいで悪しき存在が生まれたの
それはヴァイスと呼ばれるモノだったの…
ヴァイスは生命の源であるマナに近いものだったの…
人々はヴァイスの影響を受け、狂気に飲み込まれ、人と呼べなくなるほど歪んだ生命に変わっていったの…
その時現われたのが、唄姫と呼ばれた少女だったの…
名はたしかメイル・アクレイシア…
唄は古代魔法の一つ…
この時は珍しいものじゃ無かったけれどね…
唄姫は唄うと願いを叶えるとされる、七の唄を唄い、ヴァイスを浄化したの…
これがアレスティアで起こった、ヴァイスの災いだったの…
今から話すのは十年前にあったお話しなの…
ヴァイスはまた現われたの
そしてまた、世界を蝕んだの…
アレスティアの人々はね、見てるこっちは面白いくらい混乱してたの…
それを救ったのは、一人の若い女性だったの…
名はレーメリア…
その人は唄姫が唄った後、危険だと判断され封印された七の唄を知り、唄ったの…
ヴァイスは封印されたの…
唄姫とは違い、消すことは出来なかったの…
レーメリアは、命を捧げて唄ったのにね…
この災いにより多くの人々が亡くなり、居場所を失ったの…
その中で親を失った孤児達を引き取ったのは、ギルドが経営する戦闘技術を学ぶ為の学園、カルセリア学園だったの…
この物語は、この学園で学ぶ孤児の少年と古代魔法を唄う少女の…
共に学び、過ごした日々の物語なの
さっきから喋っている自分は誰だって?
メルはメルーシャなの
メルのことはそのうちわかることだから、今は気にしないの
それじゃあまたなの…